「劣等コンプレックス」
劣等感にネガティブなイメージを持っていますか?
何かと比べて自分は劣るという感覚ですが、学問的には特にネガティブな意味はありません。
健全な劣等感は、他者との比較ではなく、過去の自分との比較から生まれ、昨日の自分より今日の自分はよりよく生きようと、劣等感をバネにする生き方ができます。
一方、不健全な劣等感はと言うと、他者との比較の中から生まれます。
他者と比べ自分は劣ると感じ、その事で自己評価を下げ、行動にブレーキをかけたり、攻撃的になってしまう事があります。
人には長所、短所(見方を変えれば短所も長所になるので、ここで言う長所や短所は当人の一方的な思い込みによるもの)があり、それを今の自分だと丸ごと、ありのままに受け入れることができないと、人はチャレンジする事から逃げたり、自分の弱さを人に知られたくないが為に、隠そうとしようとして他者に対して攻撃的になったりします。
攻撃的になるのは、攻撃は最大の防御と考えるからです。
攻撃にも積極的なものから消極的なものまで様々あります。
マウントをやたらととる人、上から目線の人、こちらの都合を考えず強引な人、怒鳴ってばかりの人、嫌味なセリフばかり吐く人、自慢話が多い人、自分を実際よりよく見せようとする人。
色々いますね。
そういった不快感を人に与える人は共通して、自身の抱える劣等感と向き合うことが出来ず、逃げ続けている人なのです。
学問上、この状態を劣等コンプレックスと言います。
みなさんがコンプレックスと呼ぶものは、厳密にはこの劣等コンプレックスを指します。
この人、不快だなぁ、と思うことがもしありましたら、その事で苛立ちを感じるのは、あなたの貴重な時間が無駄になるだけです。
劣等感に押し潰された可哀想な人のために、あなたが苛立ち、その事に時間を割くのは勿体無いことです。
そういった目で見てみると、苛立ちも消え去り、物事の捉え方が変わり、重苦しい気持ちも楽になるでしょう。
嫌いなあの人のことで、あなたの大切な時間を無駄にすることのないよう、視点を増やしてみてはいかがでしょう。